ちょい干し てっ平(ちょいぼし てっぺい)@神楽坂
「今夜は、じっくりと、とびきり上手い魚と焼酎を飲みたい」そんな御仁におすすめなのが、この店、『ちょい干し てっ平』である―。と、こう書くと、どこかの街のガイドブックと同じになるので、好き放題、書き放題、飲み放題?、愉しみながら書いてみたい。
ここで、飲んでいると、「いやあ、生まれてきてホントに良かった!」と、いつも思う。「酒のわかる男に育ててくれたおやじ、有り難う」と思わず口に出さずにいられない、そんな、「焼酎と肴の味わえる」極上の店である。
男同士二人で飲むのもいいが、やはりここは、「彼女」と飲みたい。おじさんとしては。
というわけで、昨夜は、K子さんを誘って、「ちょい干し てっ平」のカウンターを陣取った。
このK子さん、我が地元、新所沢の焼酎道場『甑(こしき)』に客としてよく来ていたお嬢さんで、とんでもない飲み助。女一人でぐいぐい飲む。今年?歳になったばかり。韓国映画『猟奇的な彼女』に出てきたチョン・ジヒョン、あの娘と同じ、あんなスリムなからだで、はっきり言って、私より、飲む。欠点は一つだけあるが、それを言うとぶたれるので、ここでは書けない。
カウンターに陣取って、目の前に広がる、壁一面に並べられた100種類以上の焼酎のボトルを睥睨する。この瞬間が、「今夜は、何を愉しもうか」という、最高のひとときである。目の前のテーブルの上にも、陶器の大きな焼酎の瓶がどんと3つ、置かれているが、これが、この店一番のおすすめである。。
今夜は、鹿児島の「百合」、宮崎の「川越」、これをロックで交互に飲む。これは、いつもと同じバージョン。しばらくして、ちょっと癖のある「やまねこ」、そしていくら飲んでも飽きない「海」へと流れていく。ところが、このK子さん、「百合」「川越」「富の宝山」を常温のストレートで飲んだ後、いきなり、店のマスターに、「私、前割りの岩田!」。
(おお、出ましたね! K子さん)「これは、いいですよ。」といいながら、一口飲んだコップをぐいと私に差し出す。ここらあたりから、、「猟奇的K子さん」になり始める。これを全部飲み干すと、「マスター、《万年》、入っていますか?」
「はい、黒麹も、白麹もございます」
「では、白麹を、ストレートで」
「お客さん、白麹のストレートに、ちょっとだけ、お湯を注ぐと本当においしいですよ」
「では、それで、お願いします」
いやあ、この焼酎の旨いの何の、もう絶品。
※ ※
神楽坂は毘沙門天、その向かい側、人一人が通れるかどうかという狭い路地に入ると、すぐ左手にその店はある。山田風太郎先生の「あと千回の最後の晩餐」ではないが、死ぬまで現役で飲み続けていたいと、そんな思いにさせる一軒である。
*ちょい干してっ平*
東京都新宿区神楽坂4-2-30
TEL:03-3269-5456
